嚥下外来

嚥下外来とは

摂食・嚥下とは、食べ物を口からのど、のどから食道、食道から胃へと送り込む一連の流れをいいます。

脳卒中や、パーキンソン病、認知症、喉の癌の手術や放射線治療、加齢による筋力低下などが原因で、この流れのいずれかが障害され、食べ物をスムーズに飲み込めなくなることを「嚥下障害」といいます。高齢になると、骨折などによる安静臥床がきっかけで嚥下障害が起こることもあります。

嚥下障害が生じると、楽しいはずの食事が苦痛なものにかわり、食事摂取量が減って、やせてしまったり、さらに重症になると、食事ができなくなったり、※誤嚥性肺炎を引き起こしたりすることもあります。

飲み込みの過程や状態を、多角的に評価し、必要に応じて、「VE検査(嚥下内視鏡検査)」や「VF検査(嚥下造影検査)」を行い、誤嚥しにくい安全な食事形態や飲み込み方などを助言・指導させていただくことを目的とした外来が、【嚥下外来】です。

※ 誤嚥:食べ物が誤って、喉頭や気管に入ってしまう状態 肺炎の原因になる

対象者は

嚥下障害の可能性がある方全てが対象になります。以下がよく見られる症状です。

・食べるのが遅くなった ・口の中に食べ物が残る ・食後に痰が増える ・食べ物がつかえる
・やせてきた ・のどの奥に食べ物が残る ・のどがゴロゴロ鳴る ・飲み込みにくい
・食べこぼす ・食事中、後にむせる ・風邪以外で急に熱が出る ・食べ物や胃液がもどってくる
・食事に関連して咳が出る


予約・診察の流れ

初診時に医師が診察し、必要に応じ、VE検査(嚥下内視鏡検査)を予定します

後日、VF検査(嚥下造影検査)、言語聴覚士の評価・指導を予定します

検査結果に応じ、摂食機能療法(食形態、摂食方法の指導、嚥下リハビリの指導)を行っていきます

VE検査(嚥下内視鏡検査)とは

鼻の穴から細い内視鏡(右図参照)をのどに向かって挿入し(左図参照)、飲み込みの様子を直接観察する検査です。唾液や痰の貯留の有無、水分や食べ物を飲み込んだ後ののどへの残留の有無や気管への流入(誤嚥)、声帯の動きを評価できます。

VF検査(嚥下造影検査)とは

バリウムなどの造影剤を含んだ食事をレントゲン透視をしながら食べて頂きます。その映像をビデオやDVDに記録し、嚥下の運動を評価し、適切な食形態や食事の摂取方法を診断する検査です。

摂食機能療法とは

摂食嚥下障害(飲み込みの障害)がある患者さんに対し、個々の患者さんの症状に応じた診療計画書に基づき、医師の指示の下に看護師もしくは言語聴覚士などが1回につき30分以上訓練指導を行います。月に4回まで、行えます。

嚥下障害は、外からは中々わかりにくいことも多いです。少しでも気になりましたら、お気軽にご相談ください。